海のサイエンスカフェ

日本海洋学会教育問題研究会



第7回海のサイエンスカフェ開催報告

 

海洋科学グループの話題

情報提供者:菊池知彦さんと岸道郎さん(教育問題研究会員)
文責:市川洋

(以下「>」は一般参加者の発言)

 

話題:現在報道されている放射能レベルに関する情報

単位の不明確さ、安全基準とは? どこまで安全か? 時間? 絶対量?

> 一般報道で示される値の意味がよくわからず、不安だったが、現在のレベルが1960年代頃の核実験による核種の降下量よりもはるかに少ない事実に驚いた。時間あたりのとか絶対量といった数値による放射能の影響を一般人は判断できない。

記録者注(2011年5月18日追加) サイエンスカフェの開催された当日のレベルで、累積では核実験時代と変わらないか、それより多いという測定結果もある。

話題:遺伝子変異についての不安

50年代の原爆実験が太平洋で行われ、その真下にも生物たちがいて、遺伝子変異はあったに違いないが、その末代を我々は食べていてなんともないので、きっと大丈夫。

話題:魚介類への影響はあるのか?  浮魚類、底魚類、貝類

魚は回遊しているから福島沖あたりを通過するのは一瞬だし、動物プランクトンもどんどん流されて拡散されるから、放射性セシウムを含んだプランクトンが高濃度で海全体に広がることはない。

> 過去の核実験による高放射能の影響でも魚介類に大きな影響が出ていないので、今回の事態も落ち着いて見ることが出来そうだ。

話題:海洋の低次生産機構への影響

科学が明らかにしてきた、明らかにしつつある生態系の複雑なシステム、今後、明らかになるシステムもあり、それによって新たな評価・判断基準が構築される(科学の歴史)

> 生態系への影響と一言で言っても実際は未知の部分も多いことを再認識した。またその発見が新たな評価を生んで安心・安全につながってほしい

話題:生物による摂取量の違いは何によるのか?

代謝速度、世代時間、回転時間が関わる

> そのような事柄をきちんと把握しないと正確な判断が下せないことを再認識した。

話題:今後の復興方法

話題:科学者にとっての今回の事故の意義

千載一遇の研究チャンス? 世界中の研究者が日本周辺で研究を開始する!?

> 今回の事態は科学にとってはビッグチャンスではあると思う。

話題:地球誌のなかの大地震・津波の記憶と今回刻まれた大災害の記録

話題:今後予想される東南海地震と御前崎の浜岡原発の脆弱性

> 心配の声が上がる。多くがかなりの不安を感じているようである