海のサイエンスカフェ

日本海洋学会教育問題研究会



海の中の雪(マリンスノウ)の話

(@たまきさんサロン オープンサロン講座)

主催
日本海洋学会教育問題研究会,せんだい環境学習館 たまきさんサロン
話題提供
鋤柄千穂さん(東京海洋大学)
進行
大林由美子(愛媛大学)
日時
2017年10月15日(日)10時30分〜12時
場所
せんだい環境学習館 たまきさんサロン
(東北大学青葉山新キャンパス環境科学研究科本館 1階)
話題提供者より
第20回海のサイエンスカフェに「海の中の雪(マリンスノウ)の話」というタイトルで話題提供させていただきました。最初に、マリンスノウとは世界中の海中で見られる粒子状の物質で、海洋に生息する生物の死がいや排泄物、そしてそれらが分解してまじりあっているものであることを説明しました。そしてその後、粒子状物質の起点であり海洋の一次生産者である植物プランクトンやそれを捕食する動物プランクトンなど、一般的に馴染みのない海の生物についての説明をしました。ここでは、具体的なイメージを持ってもらうため、写真や動画、標本などを用意しました。さらに、粒子状の物質がまるで雪のように海の中を沈んでいき、深海生物に栄養を届けていること、海洋中深層に炭素を貯蔵していることなどの説明をしました。途中から聞き手のみなさんよりとても多くの質問をいただきました。深海魚やダイオウイカ、海洋酸性化などの話も飛び出し、みなさんが海について興味を持っていることを直接感じることができました。多くの質問を通じて、みなさんと私たち研究者の相互の理解を深めることができたのではないかと思います。
  今回のサイエンスカフェの実施にあたり、多くの方々にご協力いただきました。司会進行していただいた大林さんには、準備段階から大変お世話になりました。また同様に上野さんにも、的確なアドバイスをいただきました。お二人には、会の中でも私の話を丁寧にフォローしていただきました。また、「せんだい環境学習館たまきさんサロン」の緑あふれる素晴らしい会場でお話しできたことをとてもうれしく思います。ありがとうございました。
企画担当兼進行担当より
今回の海のサイエンスカフェは、仙台市環境局の施設「たまきさんサロン」のオープンサロン講座として実施させていただき、仙台市政だより、たまきさんサロン講座チラシ、たまきさんサロンウェブサイト等での広報のおかげで、10名の仙台市民の方が来てくださいました。
海のサイエンスカフェ恒例のはじめの自己紹介で、参加したきっかけや海との関わりなどをみなさんにお話しいただいたところ、“マリンスノウ”という言葉に詩的なイメージがあって…、という方もいらっしゃいました。さて、、、鋤柄さんのトークが始まり、水中を漂う深海生物の写真を見せているかと思いきや、実はその周りに地味にたくさんぽつぽつぽつぽつと写っている小さな白い点々、「これぞ今日の主役のマリンスノウ!」、顕微鏡写真を見ながら「実はプランクトンの死骸やうんこがごちゃごちゃ集まったものです」。詩的なイメージがどうなったかはさておき、みなさん、とても熱心で、鋤柄さんからの報告にもあるとおりいろんな質問が飛び出しながらおおいに盛り上がり、あっという間に1時間半が経過しました。こうした参加者からの質問やワイワイ話している中で、私たちが気づくことも多くあり、これがサイエンスカフェのいいところだなぁ、と実感しました。最後に今回の話のエッセンスが随所にちりばめられた、鋤柄さんオリジナル『実感!?生物ポンプすごろく』を披露、おみやげにして「パーティーでどうぞ♪」。これがとても好評で、「お友達にもあげたいから残りがあったら2~3枚ちょうだい」という方も。
実施にあたり、仙台市環境局環境共生課およびたまきさんサロンのスタッフのみなさまに、たいへんお世話になりました。本当にありがとうございました。なお、当日の様子を、たまきさんサロンブログにも掲載してくださっています。こちらもぜひご覧ください。https://www.tamaki3.jp/blog/?p=20909