海のサイエンスカフェ

日本海洋学会教育問題研究会



気候予測

-ウミガメが手助け-

参加者数
参加者15名、スタッフ6名、合計21名
話題提供者メッセージ
今回の講演では、まず、気候予測の1種である季節予測について、簡単な紹介をしました。次に、その予測開始時点での初期値を作るために、海の観測網がとても大事であることを説明しました。最後に、ウミガメのバイオロギング手法で得られた海中の水温の観測データを活用し、季節予測を改善した事例を紹介しました。気候予測、海洋観測、バイオロギング、ウミガメなど、多様なキーワードがどのように結びついてくるのかを、わかりやすく説明できるように心がけました。
聴講者の皆様からは、鋭いご指摘や、ご提案を頂き、私自身も大変勉強になりました。日本の猛暑や暖冬などが、南の海の水温と関係している不思議を楽しんで頂けていたら幸いです。また、私が海洋物理の専門家であるため、バイオロギングの魅力や今後の展望などを十分に伝えることができなかったことは反省材料です。
皆様に、海洋観測の重要性を認識して頂けたようですので、その次のステップとして、実際に海洋観測を身近に感じてもらうための観測体験イベントなど企画できたら楽しいかなと思いました。ロガーなどが、さらに安価に手に入るようになれば嬉しいと思いました。
オンライン開催でしたが、大きなトラブルがなく、参加者の方に楽しんでもらえたようなので大変嬉しかったです。事前の入念な準備から当日の臨機応変なサポートなどして頂いた上野さん、大林さん、藤井さん、市川さん、須賀さんらスタッフの皆様に大変感謝しております。また一般の方と、気候と海の関係を楽しくお話できるような機会などありましたら、是非協力させて頂きたいと思います。
進行担当者メッセージ
進行役の私にとってはとても楽しいサイエンスカフェでした。(カフェではなく 自宅でしたが…。)ご参加くださったみなさまも、楽しんでいただけましたで しょうか?みなさまそれぞれに楽しんでいただけていたらとても嬉しいです。
土井さんからの話題、とても魅力的でした!質問にもとても丁寧に答えてくださ り、本当にありがとうございました。そして、いろいろと質問やお話しをしてく ださった参加者のみなさまも、ありがとうございました。後半は少人数の小部屋 (ブレイクアウトルーム)に分かれてお話し、その後、再度全体で集まって、小 部屋での話題をみんなで共有しました。どの部屋もそれぞれの話題で盛り上がっ たようでした。
ご参加いただいたすべてのみなさまに楽しさと満足感を持ってもらえる会になる ような進行を目指しましたが、実際は難しいですね。行き届かない点も多々あっ たと思います。ですが、オンラインはオンラインの良さを生かし、リアルカフェ ならまたその良さを生かし、楽しく満足感のあるサイエンスカフェを実施できる ように努めていきたいと思いますので、今後とも「海のサイエンスカフェ」をど うぞよろしくお願いいたします。(大林 由美子)
主催者メッセージ
今回の海のサイエンスカフェは、海のサイエンスカフェとしては26回目ですが、オンライン開催としては2回目となります。私としてはオンライン開催の企画を初めて担当しましたが、前回、企画担当に加え、話題提供も担当下さった市川さんから助言を頂くなどことにより、何とか準備を進めることができました。また、この1年間、大学の授業、ミーティング、セミナーなどをオンラインで実施する機会が多かったこともプラスになりました。オンラインと対面、変わらないことと大きく変わることがあります。サイエンスカフェにおいての一番の魅力は、「話題提供者や海洋学会員と参加者が比較的近い距離で対話する」と思います。今回のカフェにおいて、変わらないとまでは言えませんが、この点は少人数の議論においてある程度達成できたように感じました。ただ、通信状況の問題などもあり、十分でなかった参加者の方もいらっしゃったと記憶していますし、やはり対面でこそ、の部分があるように思います。また、土井さんが提供して下さった話題の魅力に関しては、オンラインでも十分伝わったように思いました。土井さん、様々な工夫、ありがとうございました。大きく変わった点で、我々にとっても参加者にとっても良かったことは、全国から参加して頂いたことです。多様性の観点からも非常に嬉しいことです。
「カフェ」という性質上、対面開催では飲食を伴うことから、以前と全く同じ形式での対面開催の再開は比較的遅めになってしまうと考えています。オンライン開催を充実させる、飲食を伴わない形での開催を検討するなど、様々な方法を検討しつつ、継続してゆきたいと考えています。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。